株式会社AIエージェント

AIエージェントのプロンプトの書き方|3回で分類名が18通りに

AIエージェントのプロンプトの書き方を、架空のメール8通の仕分けで試しました。「種類と担当と急ぎを付けて」と頼むと、急ぎの判断は3回とも同じでしたが、種類の名前は3回で18通りになり、3回とも同じ名前だったのは8通中1通でした。選択肢と基準を書くと、3回とも8通すべて同じ結果になりました。

佐野 泰規佐野 泰規株式会社AIエージェント 代表取締役約6分で読めます
架空のメール8通を同じ指示で3回仕分けさせ、自由に書かせた場合と選択肢から選ばせた場合の結果のそろい方を並べた図
図版=株式会社AIエージェント(当社環境での試行結果をもとに作成)

AIエージェントに毎日同じ仕事をさせるとき、プロンプトに求めるのは上手な文章ではありません。何度動かしても、同じ入力には同じ結果を返すことです。

架空のメール8通を、同じ指示で3回仕分けさせました。「種類と担当と急ぎを付けて」と頼むと、急ぎかどうかの判断は3回とも同じでした。ところが種類の名前は3回で18通りになり、3回とも同じ名前だったのは8通中1通だけでした。急ぎの判断はそろっていて、ぶれたのは言葉のほうです。

AIエージェントのプロンプトの書き方|この記事で作るもの

作るのは、選択肢・判定基準・返す形の3つを書いたプロンプトと、結果がそろったかを数える確かめ方です。生成AIには OpenAI の API(GPT-6 Sol)を使いました。ほかの生成AIでも、書く項目は同じです。業務プロンプトを短く書く考え方は業務プロンプトの書き方にまとめました。この記事は、毎回同じ結果を返させるほうの話です。

準備|試すのは架空のメールだけ

架空の会社「サンプル工業」に届いたメールを8通用意しました。請求の問い合わせ、納品の不足、担当者変更の挨拶、カタログの依頼、支払日の相談、寸法の不良、打ち合わせの依頼、請求書の宛名変更です。

実際のお客様のメールは使いません。どの情報を外部のAIに入れてよいかは生成AIの社内ルールの作り方にまとめました。

作る手順|選ばせる言葉を先に決める

手順1 比べるために、自由に書かせる

次のメールを仕分けてください。種類と、担当部署と、急ぎかどうかを付けてください。

同じ指示で3回実行しました。No.2(部品が1個足りない・明日のラインで使う)の結果です。

1回目  納品不足                  物流部           はい
2回目  納品不足・追加納品の依頼  物流・出荷担当   はい
3回目  納品不足の連絡            物流・出荷部門   はい

「急ぎ」は3回とも同じで、8通すべてで3回同じでした。一方、種類の名前は3回で18通りになり、3回とも同じ名前だったのは8通中1通です。担当部署は、こちらが1つも渡していないのに、「物流部」「品質保証部」など7通りの名前が出ました。

人が読むなら、どれも意味は通じます。ただ、AIエージェントの後ろには、件数を数える表や、担当者へ振り分ける決まりがあります。「納品不足」と「納品不足の連絡」は、機械にとっては別の種類です。

手順2 選択肢・基準・返す形を書く

次のメールを1通ずつ仕分けてください。JSONの配列だけを返してください。
各要素は {"no", "種類", "担当", "急ぎ"}。
種類は次の5つから1つだけ選ぶ:請求・支払/納品・品質/営業・資料/連絡のみ/要確認
担当は次の3つから1つだけ選ぶ:経理/製造/営業
急ぎは次の基準で true/false:「至急」「明日」など期限が3日以内と書いてあるときだけ true。
どの種類にも当てはまらない、または2つにまたがるときは 種類を「要確認」にする。

書いたのは3つです。選ばせる言葉(選択肢)、選び方(基準)、返す形(JSON)。

手順3 3回実行して、そろったかを数える

同じ指示で3回実行し、結果を短いスクリプトで比べました。3回とも、8通すべて同じ結果でした。

{"no":2, "種類":"納品・品質", "担当":"製造", "急ぎ":true}

今回は「要確認」は1通も出ませんでした。8通とも、用意した選択肢に収まったということです。

人が止める場所|選択肢の外に出たら機械で止める

選択肢を書いても、AIが選択肢に無い言葉を返す可能性はゼロにはできません。そこで、AIの出力の後ろに決まりを置きます。

  • 選択肢に無い種類・担当が返ってきたら……処理せずに人へ回す(文字列が一覧にあるかを機械で照合する)
  • 「要確認」になったら……人が見て種類を決める。同じ理由で要確認が続くなら、選択肢を1つ足す候補にする
  • 「急ぎ」が true になったら……自動で振り分けたうえで、担当者に通知して人の目にも入れる

私なら、プロンプトを直すたびに同じテスト用のメールで3回実行し、そろわなかった項目がないかを確かめてから本番に戻します。止め方の全体像はAIエージェントの暴走を止める方法に、回った件数の数え方はAIエージェントの効果測定のやり方に書きました。

うまくいかないときの直し方

  • 選択肢に無い名前が混ざる……「次の◯つから1つだけ選ぶ」を指示に書き、機械の照合で止める
  • どれにも当てはまらないものを無理に入れる……「要確認」を選択肢に入れ、「2つにまたがるときも要確認」と書く
  • 判断がぶれる……基準を数字や言葉で書く(今回は「期限が3日以内と書いてあるときだけ」)。3回実行して、ぶれた入力をテスト用に取っておく

判定表|AIに任せてよい範囲と、人が確認する場所

作業AIに任せてよいか確かめる方法
決めた選択肢からの仕分け任せてよい選択肢の一覧と機械で照合
選択肢そのものを作る任せない自社の部署名・業務の区分を人が決める
「要確認」になったもの任せない人が見て決め、選択肢を足すか判断
急ぎの判定基準つきで任せてよいtrue のときは担当者にも通知
プロンプトの変更任せない同じテスト入力で3回実行してから本番へ

自社で作るのが大変なときの頼み先

仕分けの後ろの振り分けや通知まで含めて外に頼むなら、何に料金を払うかで会社が分かれます。AIエージェント開発会社おすすめ6選で比べました。

プロンプトを書く前に、選ばせる言葉を決めておく

AIに毎回同じ結果を返させる前提は、自社の業務の区分が決まっていることです。当社のAI適合度診断は10問で、経営・活用・人材・データ・ルールの5分野から自社の現在地を点数にします。連絡先の入力は要りません。 メールの仕分けから振り分けまでAIエージェントで組む場合の費用の目安は、AI見積もりで先に確かめられます。

出典

  • Responses|OpenAI API Reference(2026年9月30日閲覧)
  • 入出力例は、当社の環境で架空のメール8通を OpenAI の Responses API(gpt-6-sol)に渡し、自由に書かせる指示と選択肢を決めた指示で3回ずつ実行した結果と、当社で書いた比較スクリプトの出力(2026年9月30日)

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