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業務プロンプトの書き方|4点で出力が1,100字→150字になりました

業務で使うプロンプトを「役割・入力・出力の形・禁止」の4点で書く手順です。同じ依頼文・同じデータで、4点を足す前と後の出力を実際に比べました。前は約1,100字の自由な文章で推測まで混ざり、後は5行の表だけ(約150字)になりました。生成にかかった時間も22.0秒から3.8秒に変わっています。

佐野 泰規佐野 泰規株式会社AIエージェント 代表取締役約8分で読めます
ノートパソコンでAIチャットの入力欄に文章を打ち込んでいる手元を、肩越しに撮った写真
Pexels / Matheus Bertelli

この記事でわかること

  • プロンプトに足すのは4点だけ——①役割 ②入力(どこからどこまでがデータか)③出力の形 ④禁止。長く丁寧に書くことではない
  • 当社で実測した差: 同じ依頼・同じデータで、出力が約1,100字 → 約150字、生成時間が22.0秒 → 3.8秒。いちばん大きいのは字数ではなく、推測の混入が止まったこと
  • ④の禁止が効く。「本文に書かれていないことを推測して補わない」を1行入れると、AIは空欄を「記載なし」と書くようになる
  • 人が確認する場所は変わらない。判定表を1つ置いたので、どこまで任せてどこで止めるかはそこで決める

「AIに頼んだのに、返ってきた文章が長くて結局そのまま使えない」。原因はたいてい書き足りないことではなく、出力の形を決めていないことです。

業務で使うプロンプトを 役割・入力・出力の形・禁止 の4点で書く手順を説明します。同じ依頼・同じデータで前と後を実際に比べたので、出力もそのまま載せます。

業務プロンプトの書き方は4点だけ|長く書くことではない

先に結論です。足すのは次の4点で、これ以外を長々と書く必要はありません。

足すもの何を書くか無いとどうなるか
①役割誰として答えるか回答の粒度と用語が毎回変わる
②入力どこからどこまでがデータか指示とデータが混ざって読まれる
③出力の形表なのか文章なのか。列名・選択肢の語彙までそのまま後工程に渡せない
④禁止やってほしくないこと頼んでいない推測や提案が足される

OpenAIの公式ガイドも、役割については "Describe the purpose, communication style, and high-level goals of the assistant"、データの区切りについては "XML tags can help delineate where one piece of content begins and ends" と書いています。この2つは、そのまま①と②のことです。

準備|何を貼ってよいかを先に決める

会社としてのルールが決まっていないうちは、顧客名・メールアドレス・電話番号・契約書の中身を貼らないでください。 線引きは社内の生成AI利用ルールの作り方に分けて書きました。この記事の例も実在しない架空の問い合わせです。実データで試すのはルールを決めてから。

手順|同じデータで、前と後を比べる

題材は「賃貸管理会社に届いた問い合わせ5件を、台帳に貼れる形に整理する」です。データはこれ(架空)。

エアコンが効かない、部屋が28度から下がらない(301号室、昨日から)
退去したいがいつまでに言えばいいか
共用部の電球が切れている(2階廊下)
water leaking from ceiling, second floor, urgent
鍵をなくした、今日中に入りたい

前|4点が無いプロンプト

入力したのはこれだけです。

問い合わせを整理して
(上のデータ5行)

返ってきたのは約1,100字の文章でした。冒頭だけ引用します。

優先度:高(即対応)

1. 天井からの水漏れ(2階) ※英語での問い合わせ

  • 対応区分:設備トラブル/緊急
  • 備考:階下への被害拡大・電気設備への影響の恐れ。水漏れ箇所の直上の部屋(3階側)の特定が必要

内容は悪くありません。問題は3つあります。

  1. そのまま台帳に貼れない——見出しと箇条書きの自由な構造で、列が揃っていない
  2. 頼んでいないものが足されている——「不足情報」「対応の順番(案)」「全体を通しての確認事項」の3つの節が勝手に付いた
  3. 推測が混ざっている——末尾に「2階の水漏れと2階廊下の電球切れは、同一箇所の可能性があります」と書かれました。データにそんなことは書いていません

3つ目がいちばん危ない。もっともらしいので、読んだ人が事実だと思ってしまいます。

後|4点を足したプロンプト

同じデータに、4点だけ足しました。

あなたは賃貸管理会社の一次受付担当です。          ← ①役割

# 入力
<問い合わせ>
(データ5行)
</問い合わせ>                                    ← ②入力の区切り

# やること
<問い合わせ>の各行を1件として、下の表に整理する。

# 出力の形                                       ← ③出力の形
Markdownの表。列は次の5つで固定し、順番も変えない。
| No | 種別 | 緊急度 | 部屋 | 一次回答の要否 |
- 種別は「設備/契約/共用部/鍵」の4つから1つだけ選ぶ
- 緊急度は「即日/3日以内/通常」の3つから1つだけ選ぶ
- 部屋は本文に書かれている場合だけ書く。書かれていなければ「記載なし」
- 一次回答の要否は「要/不要」

# 禁止                                           ← ④禁止
- 表以外の文章を出力しない
- 本文に書かれていないことを推測して補わない
- 5行より多く出力しない

返ってきたのは、これで全部です。

No種別緊急度部屋一次回答の要否
1設備即日301号室要
2契約通常記載なし要
3共用部3日以内記載なし不要
4設備即日記載なし要
5鍵即日記載なし要

実測した差

前後
出力の長さ約1,100字約150字
生成にかかった時間22.0秒3.8秒
推測の混入あり(電球と水漏れの関連)なし(「記載なし」で止まる)
種別の語彙毎回変わる4語に固定
台帳への転記手で書き写すそのまま貼れる

いちばん効いたのは字数ではありません。④の禁止に入れた「本文に書かれていないことを推測して補わない」の1行です。 これがあると、AIは空欄を埋めようとせず「記載なし」と書きます。空欄が空欄のまま返ってくることが、後工程では一番ありがたい。

うまくいかないときの直し方

  • 表以外の説明文が付いてくる → ④に「表以外の文章を出力しない」を入れる。①〜③だけでは止まりません
  • 語彙がばらつく(設備/設備不具合/設備トラブル) → ③で選択肢を列挙して「この中から1つだけ選ぶ」と書く。例示ではなく限定として書くのがコツです
  • 勝手に件数が増える・減る → ④に「◯行より多く出力しない」を入れる。入力の行数と出力の行数が合わない事故はこれで止まります
  • データの一部が指示だと解釈された → ②の区切りが弱い。<問い合わせ> のようなタグで前後を挟む
  • 毎回打ち直すのが面倒 → 固定部分(①③④)を保存する。ChatGPTならカスタム指示やGPTs、Claudeならプロジェクト機能に入れれば、毎回貼るのは入力データだけになります

この作業をAIに任せてよいか|人が確認する場所の判定表

4点を足しても、人が見る場所が消えるわけではありません。 どこまで任せてどこで止めるかは、作業の性質で決まります。

作業AIに任せてよい範囲人が必ず確認する場所
問い合わせの仕分け種別・緊急度の一次判定緊急度「即日」の行(見落とすと被害が出る)
議事録の整理発言の要約・ToDoの抽出決定事項と担当者(誰がやるかを間違えると止まる)
メール文面の作成下書き金額・日付・宛名(AIが最も間違える3つ)
表の集計・分類分類の実行合計値(電卓か表計算で検算する)
契約書・規程の下読み論点の洗い出し判断そのもの(専門家に回す。AIの結論を採用しない)

目安は1つ。間違えたときに後から気づけるものは任せてよく、気づけないものは人が見る。 合計値が1桁違えば気づきますが、緊急度の判定を1件見落としても画面上は何も起きません。

自社で型を作るのが大変なときの頼み先

4点は1人が1つの作業に当てるぶんなら今日から使えます。大変なのは社内の全部署ぶん作って、更新し続けるところです。

そこまで外に頼む場合の比較は生成AIコンサル会社おすすめ6選にまとめました(料金と契約期間を公式サイトの記載だけで並べています)。「入れたけれど使われていない」状態からなら、社員が生成AIを使わない理由が先かもしれません。

型を作る前に、自社のどこが弱いかを出しておく

プロンプトの型が効くのは、その作業をAIに任せてよいと決まっている場合です。どの業務から手を付けるかが決まっていないなら、順番が逆になります。

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作りたい仕組みがもう決まっているなら、AI見積もりに書けば概算が約3分で出ます(SIer相場との比較つき)。

出典

  • OpenAI「Prompt engineering」 https://developers.openai.com/api/docs/guides/prompt-engineering (2026年9月9日閲覧)——役割の記述 "Describe the purpose, communication style, and high-level goals of the assistant"、区切りの記述 "XML tags can help delineate where one piece of content begins and ends"
  • 本文の入出力例は、当社が2026年9月9日に架空のデータで実際に実行した結果です(出力の長さ・生成時間・推測の混入の有無はその実測値)

よくある質問

プロンプトは長く書いたほうが精度が上がりますか?
長さと精度は別です。当社の実測では、足したのは4点(役割・入力・出力の形・禁止)だけで、プロンプト全体はむしろ整理されて短くなりました。長い説明を足すより、出力の形を先に決めるほうが効きます。
「役割」は本当に必要ですか?
OpenAIの公式ガイドは、システム側の指示について "Describe the purpose, communication style, and high-level goals of the assistant" と説明しています。役割を書くと、同じ質問でも回答の粒度と用語が揃います。書かないと、返ってくる文章の想定読者が毎回変わります。
顧客の名前やメールアドレスを貼り付けてもいいですか?
会社としてのルールを決める前に貼らないでください。何を入れてよいかの線引きは社内の生成AI利用ルールの作り方にまとめています。この記事の例も、実在しない架空の問い合わせで作っています。
出力の形はどこまで細かく指定すべきですか?
後工程がそのまま使える単位までです。表に貼るなら列名と順番、選択肢のある欄はその語彙まで指定します。当社の例では種別を「設備/契約/共用部/鍵」の4語に固定しました。語彙を固定しないと、同じ内容が「設備不具合」「設備トラブル」などに割れて集計できません。
毎回このプロンプトを打ち直すのですか?
いいえ。固定部分(役割・出力の形・禁止)は保存して使い回します。ChatGPTならカスタム指示やGPTs、Claudeならプロジェクト機能に入れておくと、毎回貼るのは入力データだけになります。

自社の場合、いくら?

作りたいものを入力するだけで、AIが約3分で概算見積もりを作成します。一般的なSIer相場との比較つき、無料・営業からのしつこい連絡はありません。

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