株式会社AIエージェント

AIで競合調査をするやり方|2回に1回は税抜のまま答えた

生成AIで競合調査をするやり方を、架空の勤怠サービス3社の公式サイトの抜粋で試しました。比較表では書いていない項目をどの回も「記載なし」とし、作り話は出ませんでした。ただ「8人ならどこが最安か」とそのまま聞くと、2回に1回は税抜の金額だけで答えました。税込にそろえる指示と根拠の引用で止めます。

佐野 泰規佐野 泰規株式会社AIエージェント 代表取締役約7分で読めます
架空の勤怠サービス3社の公式サイトの抜粋から、生成AIに比較表と最安の会社を答えさせた結果を並べた図
図版=株式会社AIエージェント(当社環境での試行結果をもとに作成)

新しいサービスを出す前や、価格を見直す前に、競合の料金や機能を並べたくなります。生成AIに頼めば、比較表は数十秒でできます。気になるのは、AIが他社の情報を作り話で埋めないかです。

架空の勤怠サービス3社の公式サイトの抜粋を渡して、比較表を作らせました。書いていない項目は、どの回も「記載なし」でした。 危なかったのは別の場所です。「従業員8人ならどこが最安か」とそのまま聞くと、2回に1回は、税抜の金額だけで答えました。比べる相手の料金は税込で書かれていたのに、です。

AIで競合調査をするやり方|この記事で作るもの

作るのは、公式サイトの原文を集めて渡し、比較表と根拠の引用を返させ、条件をそろえてから比べる流れです。生成AIには OpenAI の API(GPT-6 Sol)を使いました。ほかの生成AIでも、渡し方と指示の書き方は同じです。

準備|原文を集めるのは人、日付も残す

競合の情報は、各社の公式サイトの料金ページや製品ページから集めます。まとめサイトや比較サイトは使いません。書いた人の間違いが、そのまま入ってくるからです。集めた日付も一緒に残しておきます。料金は変わるので、日付が無いと古い情報に気づけません。

今回は、架空の3社の公式サイトの抜粋を用意しました。

A社「キンタイプラス」 スマホで打刻。1人あたり月額200円(税抜)。無料トライアル30日間。給与ソフト10種類と連携。
B社「タイムカードクラウド」 打刻はICカードとスマホに対応。料金はお問い合わせください。サポートは平日9時〜18時。
C社「ワークログ」 シフト作成と勤怠をひとつに。1人あたり月額400円(税込)・最低5人から。有給休暇の自動付与に対応。

A社は税抜、C社は税込で料金を書いています。当社が比べた請求書処理AIの8製品の公式サイトでも、税抜と税込の表記が混ざっていました。社内の情報をどこまで外部のAIに入れてよいかは生成AIの社内ルールの作り方にまとめました。

作る手順|表と根拠を返させ、条件をそろえて比べる

手順1 比較表を作らせる

次の3社の公式サイトの抜粋だけを使って、料金・機能・サポート・無料トライアルで比較表を作ってください。
抜粋に書いていないことは推測せず「記載なし」と書く。税込・税抜は書いてあるとおりに書く。
各セルの根拠になる抜粋の文を、表の下に社ごとに引用する。

返ってきた表では、A社とC社のサポート、B社とC社の無料トライアルが「記載なし」でした。B社の料金は「お問い合わせください」のままです。作り話の料金や機能は、どの回も出ませんでした。 表の下には、社ごとに根拠の原文が並びます。どのセルがどの文から来たかを、人がすぐに確かめられます。

指示を短くした「比較表にしてください」だけの回でも、書いていない項目は「記載なし」でした。

手順2 そのまま「どこが安いか」を聞く

次の3社のうち、従業員8人の会社がいちばん安く使えるのはどこですか。月額でいくらかも答えてください。

2回聞きました。1回目は「A社が最安。月額1,600円(税抜)、税込で1,760円」と答えました。2回目は「A社が最安で月額1,600円(税抜)」とだけ答えています。2回目は税抜の金額しか出していません。 C社の3,200円は税込なので、この答えだけを会議の資料に貼ると、税抜と税込が混ざった比較になります。

どちらの回も、料金が非公開のB社については「断定できない」と書いていました。

手順3 条件をそろえる指示を足す

税込・税抜をそろえてから比べる(消費税10%で税込に直す)。
料金が書いていない会社は比べずに「記載なし」とする。計算式を書く。

2回とも、A社「200円(税抜)×1.10×8人=1,760円」、C社「400円(税込)×8人=3,200円」と、税込にそろえた表で答えました。計算式が出るので、人は式を1行ずつ確かめるだけで済みます。

人が止める場所|集めることと、そろえ方は人が決める

AIが今回やったのは、渡された原文を表にし、指示どおりに計算するところまでです。次のことは人が決めます。

  • どのページから集めるか……公式サイトの料金ページか。集めた日付を残したか
  • 何をそろえるか……税込・税抜、1人あたりか1社あたりか、最低人数、年払いか月払いか
  • 外に出すかどうか……比較表を自社のサイトや営業資料に載せるなら、相手の文章を長く写さず事実を短くまとめ、出典と閲覧日を書く。相手を貶す書き方はしない

私なら、AIが出した表と計算式を、元の原文と横に並べて確かめてから使います。比較記事で当社が守っている決まりは、AIマーケティングツールおすすめ7選の「この記事の立場」の節で実際の形を見られます。

うまくいかないときの直し方

  • 書いていないことを埋めてくる……「抜粋に書いていないことは『記載なし』」を指示に書き、根拠の引用を返させる。引用の無いセルは使わない
  • 税抜と税込が混ざる……そろえ方と税率を指示に書き、計算式を出させる
  • 料金の単位が違う……1人あたり・1社あたり・年額を、比べる前に同じ単位へ直すよう指示する。直し方が決められないものは比べない

判定表|AIに任せてよい範囲と、人が確認する場所

作業AIに任せてよいか確かめる方法
公式サイトの原文を集める任せない人が公式ページから集め、日付を残す
原文から比較表を作る任せてよい根拠の引用とセルを突き合わせる
税込・税抜などをそろえて比べる指示つきで任せてよい計算式を1行ずつ確かめる
何をそろえるかを決める任せない税・単位・最低人数・契約期間を人が決める
比較表を社外に出す任せない出典・閲覧日を書き、相手を貶していないか人が読む

顧客の像を決めてから比べる相手を選ぶなら、AIでのペルソナの作り方も参考になります。

自社でやるのが大変なときの頼み先

調査の仕組みや、集めた情報を営業資料にするところまで外に頼むなら、何に料金を払うかで会社が分かれます。AIマーケティングツールおすすめ7選で違いを比べました。集めて表にする作業を毎週回す仕組みにするなら、AIエージェント開発会社おすすめ6選も参考になります。

競合と比べる前に、自社のどこで差をつけるかを決める

競合調査は、自社の強みをどこに置くかを決めるための材料です。当社のAI適合度診断は10問で、経営・活用・人材・データ・ルールの5分野から自社の現在地を点数にします。連絡先の入力は要りません。 原文の収集から比較表づくりまでを毎週回す仕組みにする場合の費用の目安は、AI見積もりで先に確かめられます。

出典

  • Responses|OpenAI API Reference(2026年9月30日閲覧)
  • 入出力例は、当社の環境で架空の勤怠サービス3社の公式サイトの抜粋を OpenAI の Responses API(gpt-6-sol)に渡し、比較表を3回(指示の短い版1回・根拠つき2回)、最安の質問を指示2通り×2回実行した結果(2026年9月30日)

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