AIマーケティングは何から?仕事の一覧を渡すまで答えは一般論でした
AIマーケティングを何から始めるかを、架空の工務店で生成AIに聞いて試しました。仕事の一覧を渡さずに聞くと、3回とも「施工事例をGoogleに投稿する」という、その会社がまだしていない仕事を勧めました。月の作業時間と測れている数字を書いた一覧を渡すと、3回とも「問い合わせへの最初の返信」を選びました。最初の1つは、自社の仕事の一覧から選びます。

AIマーケティングを始めようとすると、記事・SNS・広告・メルマガ・チャットボットと候補が多すぎて、どれから手を付けるかで止まります。生成AIに聞けば、すぐに答えてくれます。気になるのは、その答えが自社に合っているかです。
架空の工務店で試しました。「AIマーケティングは何から?」とだけ聞くと、3回とも「施工事例をGoogleに投稿する」と答えました。 その会社がまだしていない仕事です。自社の仕事の一覧を渡すと、3回とも別の仕事を選びました。
AIマーケティングは何から手を付けるか|この記事で作るもの
作るのは、自社の集客・販促の仕事を4列の一覧にし、そこから最初の1つを選ぶ表です。生成AIには OpenAI の API(GPT-6 Sol)を使いました。ほかの生成AIでも、渡す一覧と聞き方は同じです。
準備|集客・販促の仕事を4列で書き出す
架空の会社「サンプル住設」(従業員10人の工務店)の仕事を、次の一覧にしました。実際の会社の数字は使っていません。
| 仕事 | 月の作業時間 | 頻度 | いま測れている数字 |
|---|---|---|---|
| 問い合わせへの最初の返信 | 10時間 | 月12件 | 返信までの時間 平均26時間 |
| ブログ記事を書く | 8時間 | 月2本 | 記事から来た問い合わせ 月1件 |
| Instagramの投稿 | 6時間 | 月8本 | 測っていない |
| チラシを作る | 6時間(作る月だけ) | 年4回 | 測っていない |
| Googleの口コミへの返信 | 1時間 | 月3件 | 測っていない |
| 広告のレポートを作る | 4時間 | 月1回 | 広告費 月5万円 |
書くのは、仕事の名前・月の作業時間・頻度・いま測れている数字の4列です。測っていない仕事は、空欄にせず「測っていない」と書きます。 社内の情報をどこまで外部のAIに入れてよいかは生成AIの社内ルールの作り方にまとめました。
決める手順|一覧を渡してから聞く
手順1 一覧を渡さずに聞く
従業員10人の工務店です。AIマーケティングは何から手を付けるべきですか。最初の1つだけ答えて、理由も書いてください。
3回聞きました。答えは3回とも同じです。
最初の1つは、施工事例を1件、AIで紹介文にしてGoogleビジネスプロフィールに投稿することです。
工務店を探す人は地元の施工実績を見る、という理由も筋は通っています。ただ、この会社の一覧に「施工事例の投稿」はありません。答えは「10人の工務店によくある姿」に向けたもので、この会社の作業時間や測れている数字は1つも使われていません。 使いようがないからです。
手順2 一覧を渡して聞く
同じ質問の前に、準備で作った一覧を貼りました。
(一覧)
この会社は、AIマーケティングで何から手を付けるべきですか。最初の1つだけ答えて、理由も書いてください。
3回とも「問い合わせへの最初の返信」を選びました。理由には「月12件の見込み客に、返信まで平均26時間かかっている」と、一覧の数字がそのまま入っています。3回とも、AIで返信の下書きを作り、担当者が確認して送る形を書き、「返信までの時間」で効果を測るよう勧めていました。
手順3 選び方の基準と返す形を足す
一覧に、選び方の基準4つと、返す形を足しました。
選び方の基準: ①月の作業時間が長い ②毎月くり返す ③いま測れている数字があり、効果を前後で比べられる
④AIの出力が外に出る前に人が確認できる。一覧に無い数字(改善率・目標値など)は作らないこと。
JSONだけを返す: {"選んだ仕事", "理由", "前後で比べる数字", "人が確認する場所"}
3回とも、選んだのは手順2と同じ「問い合わせへの最初の返信」でした。
{"選んだ仕事":"問い合わせへの最初の返信",
"前後で比べる数字":"返信までの時間(現在の平均26時間)",
"人が確認する場所":"問い合わせ相手に送信する前の返信案"}
基準を足しても、選ぶ仕事は変わりませんでした。 答えを変えたのは、基準ではなく一覧です。基準と返す形を書く意味は、比べる数字と人が確認する場所が、毎回同じ欄に入って返ってくることにあります。会議の資料に貼るなら、こちらのほうが扱いやすくなります。
人が止める場所|効果の数字はAIに作らせない
続けて、一覧を渡したうえで「それぞれAIに任せたら、どれくらい効果が出るかを見積もって、効果の大きい順に並べて」と2回聞きました。
並び順の1位は、2回とも「問い合わせへの最初の返信」でした。ところが、効果の欄には一覧に無い数字が入っていました。
| 仕事 | 1回目 | 2回目 |
|---|---|---|
| 問い合わせへの最初の返信 | 月4〜6時間削減 | 月5〜7時間削減 |
| 6つの合計 | 月約13〜20時間 | 月約13〜21時間 |
どちらの回も、削減時間の根拠は書いていません。回によって幅もずれています。一方で、売上や問い合わせが何件増えるかは、2回とも「今ある数字では見積もれない」と答えました。
もう1つ、2回とも書いていたことがあります。返信の下書きをAIが作るだけでは、返信までの時間は縮みきらない(担当者への通知や確認の体制も要る)、という指摘です。26時間のうち、どこまでが「書く時間」で、どこからが「気づくまでの時間」かは、この一覧からは分かりません。始める前に、そこを分けて記録しておく必要があります。
ここから、人が決めることは次の3つです。
- 前後で比べる数字……始める前の値を記録する(今回なら返信まで平均26時間。できれば「届いてから気づくまで」と「書き始めてから送るまで」に分ける)
- 外に出る前に止める場所……問い合わせへの返信なら、送信する前に担当者が読む
- 効果の数字……AIの見積もりは社内の資料に使わない。始めてから測った数字だけを使う
私なら、最初の1か月は削減時間の目標を置かず、返信までの時間を毎週記録するところから始めます。数え方はAIエージェントの効果測定のやり方に書きました。
うまくいかないときの直し方
- 答えが業種の一般論になる……自社の仕事の一覧を先に渡す。一覧に無い仕事を勧められたら、「この一覧から選んで」と書き足す
- 測っていない仕事ばかり選ばれる……「いま測れている数字があること」を基準に入れる。測っていない仕事は、測り始めてから候補に戻す
- 効果の数字が出てくる……「一覧に無い数字は作らない」と書く。出てきた数字は使わず、始める前の値を自分で記録する
- 一覧の数字が分からない……1週間だけ、仕事ごとにかかった時間をメモする。正確でなくても、並べて比べられれば足りる
判定表|最初の1つを決める
| 確かめること | はいなら | いいえなら |
|---|---|---|
| 月の作業時間が、一覧の中で長いほうか | 候補に残す | 後回し(減らせる時間が小さい) |
| 毎月くり返す仕事か | 候補に残す | 後回し(年数回の仕事は効果を確かめにくい) |
| いま測れている数字があるか | 候補に残す | 先に測り始める |
| AIの出力が外に出る前に、人が確認できるか | 候補に残す | 確認する場所を決めてから始める |
| 残った中で、お客様に直接届く仕事か | 最初の1つにする | 次の候補にする |
今回の一覧で4つの確かめに全部「はい」が付くのは、「問い合わせへの最初の返信」と「ブログ記事を書く」の2つです。そのうち、見込み客に直接届くのは問い合わせへの返信でした。返信を自動化するときに外せない法律の線引きはフォーム対応の自動化の記事に書きました。
最初の1つが決まったあとの手順は、仕事ごとに記事を分けています。広告文なら生成AIで広告コピーを作る手順、SNSならAIでSNS投稿を作るときの線引き、LPならAIでLPの改善案を出す手順です。
自社でやるのが大変なときの頼み先
ツールを入れて自社で回すか、仕組みごと作ってもらうかで、頼み先が分かれます。ツールはAIマーケティングツールおすすめ7選で、「作る」と「配る」に分けて比べました。問い合わせの受付から返信の下書き・担当者への通知までを1つの仕組みにするなら、AIエージェント開発会社おすすめ6選も参考になります。
一覧を作ったら、自社の現在地も測っておく
最初の1つを選ぶ材料は、自社の仕事の一覧でした。当社のAI適合度診断は10問で、経営・活用・人材・データ・ルールの5分野から自社の現在地を点数にします。連絡先の入力は要りません。 選んだ仕事を、通知や確認の手順まで含めて仕組みにする場合の費用の目安は、AI見積もりで先に確かめられます。
出典
- Responses|OpenAI API Reference(2026年10月1日閲覧)
- 入出力例は、当社の環境で架空の工務店の仕事の一覧を OpenAI の Responses API(gpt-6-sol)に渡し、一覧なし・一覧あり・一覧と基準ありの3通りを各3回、効果の見積もりを2回実行した結果(2026年10月1日)
自社の場合、いくら?
作りたいものを入力するだけで、AIが約3分で概算見積もりを作成します。一般的なSIer相場との比較つき、無料・営業からのしつこい連絡はありません。
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