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AIエージェントの費用の決まり方|API代は1回1セント未満でした

AIエージェントの費用を、作る費用・API代・人の確認の3つに分けて数える手順です。架空の問い合わせを3段で処理するAIエージェントを当社の環境で3回動かすと、公式の単価で計算したAPI代は3回とも1回1セント未満でした。代わりに、点検の段が3回とも「要確認」を出して人に回しています。

佐野 泰規佐野 泰規株式会社AIエージェント 代表取締役約7分で読めます
架空の問い合わせ1通を分類・下書き・点検の3段で処理したときのトークン数と、点検が人の確認に回した回数を示した図
図版=株式会社AIエージェント(当社環境での試行結果と OpenAI の公式料金表をもとに作成)

AIエージェントを入れるとき、多くの会社が最初に見るのは開発の見積書です。ところが動かし始めると、毎回かかる費用が2つ増えます。 APIの利用料と、人が確認する手間です。

どちらが大きいかを確かめるため、架空の問い合わせを処理するAIエージェントを当社の環境で動かし、1回ごとのトークン数を数えました。API代は3回とも1回1セント未満でした。 代わりに、点検の段が3回とも「要確認」を出して、人に回しています。

AIエージェントの費用の決まり方|作る費用と動かし続ける費用は別

費用は次の3つに分けて数えます。

  • 作る費用……要件を決め、仕組みを作り、既存のシステムとつなぐ。最初に1回かかる
  • API代……動かすたびに、入力と出力のトークン数に応じてかかる
  • 人の確認……AIエージェントが「自分では決められない」と返したものを、人が見る手間

開発会社の見積書は、1つ目の作る費用の見積もりです。当社のAIエージェント開発も、作る費用として1本50万円〜(要件により個別見積もり)を公開しています。残りの2つは、動かす会社が自分で数える必要があります。

準備|試算は架空のダミーだけで行う

試算に本物の問い合わせや顧客名は使いません。どの情報を外部のAIに入れてよいかは生成AIの社内ルールの作り方にまとめました。

今回は、架空の部品会社のFAQ(5問)と、架空の問い合わせメール1通を用意しました。メールの中身は「標準品を5個だけ買いたい。来週水曜までに届くか。初めての取引だが請求書払いにできるか」です。FAQでは最小ロットが10個、初回取引は前払いなので、わざと答えに困る問いを混ぜています。

作る手順|1回の実行を数えて、件数を掛ける

手順1 処理を段に分けて組む

OpenAI の API(Responses API)で、次の3段を順に呼ぶ短いスクリプトを書きました。

  1. 分類と抽出……メールから種別・型番・数量・期限・初回取引かを JSON で抜き出す
  2. 返信の下書き……FAQだけを根拠に下書きを書く。FAQに無いことは「確認して折り返します」とする
  3. 点検……下書きをFAQと照らし、FAQに無い約束があれば1行目に「要確認」、無ければ「送信可」と書く

手順2 応答のトークン数を記録する

APIの応答には usage という欄があり、入力と出力のトークン数が入っています。GPT-6 Sol で3回動かした結果です。

実行入力トークン出力トークン点検の判定
1回目867662要確認
2回目882723要確認
3回目860658要確認

出力には、画面に出る文章のほかに推論のトークンが含まれていました。1回目の1段目は、出力106トークンのうち63が推論です。文章の長さだけで見積もると、少なく出ます。

手順3 公式の単価を掛ける

OpenAI の料金表では、GPT-6 Sol の Standard(短いコンテキスト)は100万トークンあたり入力2.00ドル・出力10.00ドルです。1回目なら次のとおりです。

入力 867 × 2.00 ÷ 1,000,000 = 0.001734 ドル
出力 662 × 10.00 ÷ 1,000,000 = 0.006620 ドル
合計 0.008354 ドル(約0.84セント)

3回の幅は0.0083〜0.0090ドルでした。同じ処理を GPT-6 Luna(入力0.10ドル・出力0.50ドル)で1回動かすと、0.00057ドルです。

手順4 月の件数を掛ける

ここから先は試算です。仮に1日30通・月20営業日で600回動かすと、3回のうち最も高かった回の数字で計算しても、GPT-6 Sol のAPI代は月およそ5.4ドルです。

同じ仮定で、要確認がすべての回に出て、1件の確認に3分かかるとすると、人の確認は月30時間です。今回は3回しか動かしていないので、要確認が出る割合は本番のメールで数え直す必要があります。それでも、API代と人の手間では、桁が違うと私は読みます。

人が止める場所|「要確認」と上限の2つ

今回の3段目は、下書きの中の「来週水曜までに届くか確認して折り返します」を、FAQに無い約束として止めました。送る前に止めるのが、この段の仕事です。 要確認が出た下書きは、人が読んでから送ります。

費用のほうは2か所で止めます。

  • 1回の上限……APIの呼び出しごとに出力の上限(max_output_tokens)を指定する。今回は下書きまでを800、点検を400にした
  • 月の上限……OpenAI のドキュメントには、組織やプロジェクトに設定できる使用額の上限(spend limits)があると書かれている。動かし始める前に設定しておく

送る操作そのものの止め方はAIエージェントの暴走を止める方法に、毎日の件数の残し方はAIエージェントの運用ログの残し方に書きました。

うまくいかないときの直し方

  • 要確認が多すぎる……今回の要確認は、どれもFAQに答えが無い問いから出た。今回なら「最小ロット未満の注文をどうするか」をFAQに1行足す
  • 試算と請求がずれる……1回動かした数字だけで見積もっている。毎回の usage をログに残し、月の合計を実数で見る
  • 出力が長くなる……段ごとに上限を付け、下書きの長さを指示で決める

判定表|費用の項目ごとに、誰が数えるか

費用の項目いつかかるか数え方人が見る場所
作る費用最初に1回見積書要件と範囲
API代動かすたびusage × 公式の単価 × 件数月の上限を超えそうか
人の確認要確認が出るたび要確認の件数 × 1件の確認時間要確認の中身
元の情報の手直し要確認が続いたとき足したFAQの行数答えを決めるのは業務の担当者

当社は自社の業務もAIエージェントで回しています。私なら、費用はこの4行で見ます。見積書に載らない下の3行ほど、あとから効いてくると考えるからです。

自社で作るのが大変なときの頼み先

作る費用の比較は、AIエージェント開発会社おすすめ6選にまとめました。小さく頼める会社はAI開発を小規模から頼める会社7選で比べています。

動かし続ける費用まで含めて、先に見当を付ける

どの業務から任せるかで、要確認の件数も変わります。当社のAI適合度診断は10問で、経営・活用・人材・データ・ルールの5分野から自社の現在地を点数にします。連絡先の入力は要りません。 作る費用の目安は、AI見積もりで先に確かめられます。

出典

  • Pricing|OpenAI API(2026年9月26日閲覧)
  • Rate limits|OpenAI API(2026年9月26日閲覧)
  • 入出力例とトークン数は、当社の環境で OpenAI の Responses API(gpt-6-sol・gpt-6-luna)に架空のFAQと問い合わせを渡して実行した結果(2026年9月26日)

自社の場合、いくら?

作りたいものを入力するだけで、AIが約3分で概算見積もりを作成します。一般的なSIer相場との比較つき、無料・営業からのしつこい連絡はありません。

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